みなさん、こんにちは!
私事ではありますが、最近謎の海外旅行欲に駆られています。
素敵な景色を見て、美味しいご飯を食べて…。
そんな日が来ることを楽しみにしながら、毎日身を削って仕事や勉強に取り組んでいきたいと思います。
されはさておき、今回は個人事業主における「家事消費」についてお話ししていきたいと思います。
個人商店や飲食店を営まれている個人事業主の方は、特に必見です!
自分自身と照らしあわせながら、家事消費についての理解をしっかりと深めていきましょう。
個人商店や飲食店を営んでいる個人事業主が、本来なら販売する予定だった商品などの棚卸資産や棚卸資産以外の資産を、自家で使用・消費することを「家事消費(又は自家消費)」といいます。
幼少期、パン屋さんになればパンが沢山食べられると思ったことのある人もいるかと思いますが、実際に自分で作ったパンを食べることは家事消費になってしまうんですね…。
パン屋さんの例を挙げましたが、自家消費に該当するものとしないものをより具体的にみてみましょう。
・売れ残った食品を自分や家族で食べた
→事業主自身のプライベートな消費にあたるため、家事消費に該当します。
・従業員に対して、賄いを作り提供した
→賄いの原材料は棚卸資産でありプライベートな消費と考えられるため、家事消費に該当します。
・事業で使用していた5万円のパソコンを知り合いに譲った
→取得価額が10万円以下の消耗品も家事消費の対象となります。
・販売している商品を友人に半額で販売した
→贈与だけでなく、低額譲渡をすると定価との差額が家事消費となります。
・仕入れた商品を、商品サンプルとして配布した
→販促費用として、広告宣伝費などの費用となるため家事消費にはなりません。
・事業で使用していた15万円のパソコンを知り合いに販売した
→減価償却資産は家事消費の対象外。
・美容師が友人のヘアカットを行った
→サービス(役務)をする場合は、家事消費に該当しません。
・大工が自分の家を自分で建てた
→設計などの役務提供部分は家事消費にはなりませんが、建築資材などの材料費にかかる部分は家事消費となります。
商品や材料などの棚卸資産をプライベートで消費することが典型的な「家事消費」ですが、贈与や低額譲渡した場合にも、家事消費と同様の取り扱いとなるため、細心の注意が必要ですね。
家事消費があった場合には、会計上、たとえ小さな金額だったとしても規定割合の金額を売上として帳簿に記載する義務があります。
また、金額については税法で定められた算出方法にのっとり計上し、家事消費した金額は所得税の計算上、収入金額としなければなりません。
所得税法では、その金額は原則として通常の販売価額(定価)によることとされています。
ただし、原則に対して特例があり、この場合は、仕入金額または定価の70%のいずれか高いほうの金額によることができます。どちらで計上しても問題はありませんが、一般的に利益の計上額が少なくなるように特例が採用されることが多いようです。
仕入金額または販売価額が分かれば、計上はさほど難しくないので、家事消費をした場合はその都度記録を残しておくことをおススメします!
家事消費が発生しやすい飲食や小売業では、一年を通して家事消費の占める割合はそれなりに多くなります。
そのため、家事消費が極端に少なかったり、空欄だったりすると、税務調査で指摘されやすいのです。
正しく家事消費が計上されていない場合には、調査官の裁量で家事消費の金額を認定される…ということも起こり得るので、適切な計上が必要になります。
個人事業主にとって切り離すことのできない「家事消費」について理解はできましたか?
飲食や小売業では、ウエイトの大きな論点となってくるので家事消費という概念を忘れず把握しておきましょう!
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