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事務所あれこれ
急に哲学的なテーマになっていますが、自社のスタッフと話していて多くの気づきがあったのでシェアしたいと思いこのようなテーマにしました。このスパイラルから早く抜け出してほしいと切に願っています。
目次
弊社では、働く上での3つの約束事を定めています。それが、SUMです。
これらのことを心がけることができるとExcelの関数のように成長が積みあがっていくというシャレも聞かせています(笑)実に自分らしいと気に入っているものになります。SUMは、それぞれの約束事の頭文字となっています。それは、S(素直)、U(嘘をつかない)、M(メモを取る)です。
本題と関わり深いのが、S(素直)になります。素直な人材というのは、弊社に限らず多くの方が新人時代に「素直」が大事と言われたのではないでしょうか?僕も含めて今でも「素直になりなさい!」とお𠮟りを受けることもあるかもしれません。
この「素直さ」というのが、人によってはとても難しいと感じています。何を隠そう弊社のスタッフもとても頑固です(笑)彼女たちもこの文章を読むことになるので多くは書きませんが、「素直さ」を失うと指導者側は、「もったいない。」という感情が沸き起こってくるのだと立場が変わって初めて知りました。
このあたりは、視座の違いからくる認識のズレから生じているものだと思います。そして、「気が付くまで何回も繰り返すんだろうな。」と思うんです。
ここから抜け出すコツとして「過去の経験から考えるな!」と伝えています。もう少し嚙み砕いて言うと、「ひょっとして○○では?」「そもそも○○してしまっているのかも?」のように自分の判断を抜きにして根本に立ち返る必要があることを求めています。
分かりやすい例になるか分かりませんが、私の実体験から考えてみたいと思います。
僕が28歳になったときに30歳までには税理士になりたいと強く思うようになりました。そこで、これまでの長時間労働を是正するため、当時の先生に直談判。期限付きで担当数を減らして頂くことになりました。会社にとっては、私が税理士であろうとなかろうと仕事をしてくれればいい存在であったはず。それも、思い通りの働きができないお荷物社員であったことは、明らかでした。前にも書きましたが、ずっと「センスがない。」と言われていましたし。
そんな僕の願いを聞いてくれた当時の会社には、感謝しかありません。
しかし、環境を整え税理士試験に挑んだ僕に試練が訪れます。とある社員がウツで退職してしまったのです。私の願いにより、多くの社員は通常よりも多くの顧問先を担当として抱えていました。どうしようもなくなった先生は、退職した社員の担当先を私に割り振るしかなくなったのです。
時は年末。何の引き継ぎも受けることなく年末調整の時期に突入し、昨年の資料を手掛かりに必死に業務を行ったことを今でも鮮明に覚えています。税理士試験の勉強は、年末から講義を受けることで精一杯になりました。当然、結果は散々たる結果でした。
今のままでは、30歳までに税理士となることは絶望的でした。その状況下で私が考えていたことは、
「長時間労働をしつつ、どのようにすれば税理士試験に合格できるのか?」
でした。文字にしてみると実にバカっぽい(笑)しかし、当時の僕にはこれしか考えられなかったのです。
その当時の知り合いに、「そもそも長時間労働を是正できないの?」と言われたときに恥ずかしながらその方に怒りを覚えました。
「それは、もうやった。けれど、今はそんなことを言っている状況ではない。」と。
そんな僕に、「宇佐見君は、そもそも30歳までに税理士になりたいの?」と無情とも思える質問が飛んできます。
「なりたいに決まっているだろう。けれど、今はそれどころじゃない。」こんな感情に支配されたとき転機となる言葉をかけられました。
「時間をかければ税理士になれるのなら、今の会社を辞めれば良くないですか?」
いやぁ、むかつきました(笑)会社のことを何も知らないのによくそんなことが言えるなと。
でもよく考えてみると、結果として会社は私の担当を減らしてくれたわけではありません。
長時間労働をしながら税理士を目指したとしてもその結果は、これまでの経験が物語っています。これに気が付くのに僕は、3年の歳月が必要でした。
会社を辞める決断をした次の試験で無事試験に合格し、税理士資格を勝ち取ったのです。
早くこの決断をしていたら、20代で税理士になれていたことでしょう。僕の頑固さが引き起こしたエピソードでした。
「『素直になろう。』その方が、人生楽に生きられます。」
これで終われば、とても楽ですよね。正論すぎて反論の余地もありません。なんでこんな明らかなことができないんだろうと不思議に思ってしまいますが、それが分からないから永遠に抜け出せないスパイラルにはまります。
こんな時に僕からできるアドバイスは、ただ一つ。「気付け!」です。答えは、自分の中にないかもしれない。もしくは、自分だけでは見つけられないかもしれない。ということを思い出し、誰かの声に耳を傾けてみるのです。
その時に、「なるほど!」とか思ったら要注意。その状態ではまだ、スパイラルの渦中であるかもしれません。納得できようとできなかろうと一旦全てに耳を傾けて、頭の中をモヤモヤさせながらもゆっくりと消化していきましょう。
いずれ根本的な問いが見つかります。「ひょっとして○○では?」この問いが出てこれば、トンネルの出口は間近です。トンネルを抜け出せる力を持っているのは、自分だけです。
応援しています。
この記事の投稿者 : 宇佐見 紘且
私たちは、あなたの夢の実現に向けて二人三脚で取り組んでいく会計事務所です。
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